植物機能の調節にかかわり、応用面では機能性食品の開発、花色の育種、毒物の制御などに結びつく二次代謝(特化代謝)の研究は、植物細胞分子生物学・ゲノム科学の展開とともに急速に進展し、遺伝子組換えやゲノム編集技術を通じて植物バイオテクノロジーの大きな柱に成長しています。フェニルプロパノイド・フラボノイドや、サポニンなどのイソプレノイド系生理活性物質について、興味ある新発見から応用に至る最新の成果やオミクス技術がもたらす研究方法の変革まで含めたシンポジウムを企画しました。
これらは最近惜しくも逝去した青木俊夫教授の研究活動と関連のある話題です。深化する植物代謝の先端研究は、青木先生の科学的・社会的業績を想起させるとともに、彼の研究世界を知らない人にも新しい発想をもたらし刺激的なものになるはずです。
「植物機能化学:現在から未来へ」
日本大学生物資源科学部生命科学研究所 主催
日本植物細胞分子生物学会 協賛
日時:2020年1月11日(土)13時~17時
会場:日本大学生物資源科学部211講義室(神奈川県藤沢市)
小田急江ノ島線六会日大前駅徒歩5分
アクセス:http://www.brs.nihon-u.ac.jp/access_map.html
(事前申し込みは必要ありませんので,直接会場にお越し下さい)
参加費:無料(交流会は5,000円の会費を予定)
13:00 - 13:10 主催者挨拶
13:10 - 13:45 機能性食品の成分化学研究に植物科学研究が教示してくれた未来 —青木先生との最後の共同研究
松藤 寛 (日本大学生物資源科学部)
13:45 - 14:20 オミクス技術がもたらした植物二次代謝研究の新展開
平井優美(理化学研究所環境資源科学研究センター)
14:20 - 14:55 代謝工学によるリンドウの花色改変 —黄や赤花を目指して—
西原昌宏(岩手生物工学研究センター)
15:10 - 15:45 カーネーションはなぜオレンジ色の花を咲かせるか? カーネーションゲノムに隠れていたchalcone isomerase
小関良宏 (東京農工大学大学院工学研究院)
15:45 - 16:20 テルペノイド代謝多様性の分子基盤と代謝工学 — 青木先生とのシンポジウム企画から始まった
村中俊哉(大阪大学大学院工学研究科)
16:20 - 16:55 青木俊夫博士とフラボノイド生合成
明石智義(日本大学生物資源科学部)
16:55 -17:00 おわりに
交流会(17:30-19:30、学内カフェテリア)
問い合わせ brs.lsrc@nihon-u.ac.jp(日本大学生物資源科学部生命科学研究所)